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  • 2026.07.05
  • BLOG

「先生は歯医者さんですか?」

診療の中で、ときどきそんな質問をいただきます。

私の答えはいつも同じです。

「私は獣医師です。」

歯科を専門としていますが、私の仕事は「歯だけを診ること」ではありません。

犬という一つの命を診ること。

そして、その子と暮らす飼い主さんの想いに寄り添うこと。

それが私の仕事だと思っています。


そのため、私が歯科診療で最も大切にしていることがあります。

それは、

歯を診る前に、犬を診る。

そして、

犬を診る前に、飼い主さんを診る。

ということです。


まず診るのは、歯ではありません。

全身状態はどうなのか?

普段はしっかり御飯を食べてるのか?

心臓や腎臓に病気はないのか?

年齢や体力はどうか?

その子は怖がりさんなのか、おっとりしているのか?

同じ歯周病でも、同じ治療が最善とは限りません。

だから私は、まず「犬」を診ます。


そして、その前に診るのが飼い主さんです。

今、何に困っているのか?

どんな生活を送っているのか?

どこまでの治療を望まれているのか?

毎日の歯みがきはどこまでできそうなのか?

それぞれのご家庭にはさまざまな事情があります。

その背景を理解せずに、「この治療が正解です」と決めつけることは、本当の意味で「良い獣医療」ではないと考えています。


そして初めて、

歯を診ます。

歯科専門病院だからといって、歯を残すことだけが正解だとは思っていません。

歯を残した方がその子にとって幸せなこともあります。

一方で、抜歯によって生活の質が大きく改善することもあります。

歯を残すことが正解なのか?

抜歯をすることが正解なのか?

その答えは、飼い主さん、ワンちゃんによって違います。

年齢も、全身状態も、性格も、暮らしている環境も、飼い主さんの想いも違うからです。

だから私たちは、「歯を残すこと」を目的にはしていません。

その子と飼い主さんにとって、何が最善なのか?

その答えを一緒に考えることが、私たちの歯科診療です。


「口腔は全身の一部であり、歯科は総合診療の一分野である。」

だから私は、歯だけを診る獣医師ではなく、

犬を診て、

飼い主さんを診て、

そして初めて歯を診る獣医師でありたいと思っています。

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